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News letter No.19(2008年3月22日理事会、総会、シンポジウム及び新理事会報告)

法科大学院協会事務局

2008年3月22日(土)10時30分より、法政大学市ヶ谷キャンパス・ボアソナードタワー26階A会議室にて理事会が開催されました。また,同日12時30分より,外濠校舎S405教室において法科大学院協会総会が開催され、新理事会が発足いたしました。総会に引き続き,14時15分より17時15分までシンポジウム「未修入学者教育方法の開拓」が開催されました。さらに、同日17時30分より、ボアソナードタワー25階C会議室にて新理事会が開催されました。開催に当たり会場の提供,準備等でご尽力いただきました浜川清理事はじめ法政大学関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

総会では,後藤昭常務理事の司会の下,以下の事項について報告と提案がなされ,承認されました。議事に先立ち,文部科学省の清水潔高等教育局長より挨拶があり、教育の質の確保と新たな高等教育のスキームに関する文科省の検討状況等が紹介されました。また、総会の中間で、法務省の河井克行法務副大臣より挨拶があり、法科大学院に対する期待と法曹人口増加に係る閣議決定の趣旨の再確認の必要性が語られました。

以下,総会で審議・決定された事項を中心に概要をご報告申し上げます。

1 役員人事の件

協会規約第13条に基づき前回の総会で設置された理事選考委員会を代表して、選考委員の田邊誠教授より選考経過と選考結果の報告がなされました。なお、今回の理事候補の選考にあたっては、前回2005年3月の選考委員会における地域配分を大まかな目安としつつ、諸般の事情を考慮して、北海道・東北・新潟2、関東6、中部・北陸1、近畿4、中国・四国1、九州1の地域配分としたことが報告されました。

選考委員会が選考した以下の15名の理事候補について全員異議なく承認されました。

松久三四彦教授(北海道大学)、鯰越溢弘教授(新潟大学) 、
長谷部恭男教授(東京大学)、浦川道太郎教授(早稲田大学)、
大村雅彦教授(中央大学)、青山善充教授(明治大学)、
新井誠教授(筑波大学)、浜川清教授(法政大学)、
浜田道代教授(名古屋大学)、山本克己教授(京都大学)、
市川正人教授(立命館大学)、山中敬一教授(関西大学)、
赤坂正浩教授(神戸大学)、松村和徳教授(岡山大学)、
西山芳喜教授(九州大学)。

理事の選出後、総会を一時中断して、直ちに新理事の間で協議がなされ、互選により新理事長として青山善充教授が選出され、次に、青山新理事長が副理事長、専務理事、常務理事、事務局長を指名して、新理事会で承認されました。

総会再開後、司会の後藤昭常務理事から、青山善充教授が新理事長に互選された旨が報告され、さらに、青山新理事長より、新執行部及び事務局の体制が報告されました。

【新執行部及び事務局体制】

理事長: 青山善充教授(明治大学)
副理事長: 鎌田薫教授(早稲田大学)、中森喜彦教授(京都大学)
専務理事: 永田眞三郎教授(関西大学)
常務理事: 井上正仁教授(東京大学)、後藤昭教授(一橋大学)、
磯村保教授(神戸大学)
事務局長: 大貫裕之教授(中央大学)
事務局次長: 中山幸二教授(明治大学)、大澤裕教授(東京大学)
常務委員: 笠井正俊教授(京都大学)、窪田充見教授(神戸大学)

なお、規約18条2項による理事長代行に鎌田副理事長が指名されました。
青山新理事長より、理事長就任に当たっての挨拶があり、4年前発足時の熱気と異なり、今や逆風が吹いている状況であり、法科大学院の前途も安泰ではなく、法科大学院制度自体が揺るがされかねない状況であるが、司法制度改革と法科大学院制度充実のため全力を尽くしたいとの決意が示されました。
引き続き、総会の議事として、理事会の承認を経て、野坂泰司教授(学習院大学)と樫見由美子教授(金沢大学)が監事候補者として提案され、異議なく承認されて、両教授が監事に選任されました。

また、昨年9月以降空席となっていた教員研修等検討委員会主任につき、前回総会で一任された加藤哲夫専務理事より、田口守一教授(早稲田大学)に委嘱した旨の報告がなされ、異議なく承認されました。

2 予算案の件

加藤専務理事より、別紙の通り2008年度予算案が提案され、異議なく承認されました。

3 法曹養成制度のあり方に関する法曹三者との連携協議の件

連携協議委員会の大澤裕委員より,連携協議の現状と検証作業の進捗状況について報告がなされました。「司法試験連携検証」については、これまで協力校6校の修了生につき2007年新司法試験の成績と法科大学院在学時の成績との関連性について分析作業を行ってきたが、報告書をとりまとめる段階に至ったため、その素案を理事会に提示し、基本的な方向について了解を得たことが報告されました。また、前回の総会で報告があったとおり、来年度は協力校を20校程度まで拡大して検証作業を継続していくことを予定しているので、引き続き協力をお願いしたいとの要請がなされました。

4 適性試験の検証の件

適性試験検証ワーキンググループの笠井正俊主査より,適性試験の検証について報告がなされました。16校から提供されたデータに基づき、大学入試センター及び日弁連法務研究財団と協力し、適性試験の成績と入学後の成績との相関関係の分析が行なわれ、報告書を作成したことが報告され、協力校に対して謝辞が述べられました。

5 法科大学院修了者職域問題の件

前回の総会で設置された法科大学院修了者職域問題等検討委員会につき、鈴木修一委員より、別紙資料に基づき、その後の経過及び今後の方針等の検討状況が報告されました。

同委員会の委員には、青山善充主任の下、
白取祐司教授(北海道大学)、大村雅彦教授(中央大学)、浜川清教授(法政大学)、鈴木修一教授(明治大学)、中舎寛樹教授(名古屋大学)、和田真一教授(立命館大学)、川嶋四郎教授(九州大学)に委嘱がなされ、すでに活動を開始したことが報告されました。

同委員会は、文科省の教育推進プログラム「全国法曹キャリア支援プラットフォーム」とも連携しつつ、広く法科大学院修了生の職域問題等を検討し、その職域拡大のために、日弁連、経済団体、人事院、NPO団体等とも協働していくとの方針であることが報告されました。また、「プラットフォーム」には現在校数で8割強の協会会員校の参加を得ている旨の報告がありました(この点に関し、2月9日に開催された文部科学省等主催の「大学教育改革プログラム合同フォーラム」のポスターセッションの資料における「プラットフォーム」の説明中に参加校に関して事実と異なる記載があった旨報告がありました)。

6 法科大学院協会としての総会決議

佐藤幸治理事長より、最近の法科大学院をめぐる厳しい状況に鑑み、協会としても自らの立場を明確に示すことが望ましいとして、以下のような決議文が提案され、異議なく承認されました。

2008年3月22日

法科大学院協会総会決議

近時、今般の司法制度改革の大前提とされていた法曹人口増員計画を見直し、新司法試験合格者数を当初の予定よりも減らそうとする動きが見られる。このような動きは、司法制度改革の趣旨に反し、その十全な実現の支障となるだけでなく、新たな法曹養成制度の中核的機関として開設されたばかりの法科大学院制度の根幹を揺るがしかねない。殊に、このような動きが法曹組織自体の内部にも見られることは、きわめて遺憾である。

このような動きの背景として、司法試験合格者の就職難など、新規法曹の受入れ態勢の問題があるだけでなく、質量ともに豊かな法曹を養成することを期待されている法科大学院の教育内容・成果についても、なお十分な信頼が得られるに至っていないという実情があることは、我々も重々承知しているところである。各方面からの厳しいご批判、ご指摘を真摯に受け止め、国民の期待に応えうる法曹を養成できる教育体制を早期に整備し安定化させることに、法科大学院関係者は全力を挙げて取り組む覚悟である。

法科大学院制度だけでなく、他の多くの改革も未だ緒に就いたばかりであり、この段階で、法曹組織自体の内部において法曹人口増員計画の見直しが進められることは、法科大学院関係者だけでなく、今般の司法制度改革に期待してその円滑な実現に協力しようとする人々の法曹組織に対する信頼を損なうものであり、法曹人口増員計画についての法曹組織内部における性急な見直しが司法制度改革を未完のままに終わらせることになりかねないことを憂慮するものである。

7 その他
(1)佐藤理事長の退任挨拶

佐藤幸治理事長より、任期満了により退任するにあたり、別紙のような声明「理事長を去るにあたって」が表明されました。

(2)次回総会の開催について

後藤常務理事より、次回の法科大学院協会総会は、2008年6月14日(土)を第1候補とし(第2候補は6月7日)、関西地区または東京で開催する予定であるとの予告がなされました。

【追記】その後、6月7日午後、立命館大学朱雀キャンパスにて開催することが決定されました。詳細については改めてご連絡申し上げます。

以上

 

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