News Letter No.4 (2004年8月28日臨時理事会報告)

法科大学院協会事務局

臨時理事会議事録

法科大学院協会臨時理事会が、8月28日(土)15時30分より、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で開催された。

出席者: 佐藤幸治(理事長代行)、川村正幸(副理事長)、田中成明(専務理事)、永田眞三郎、伊藤眞、加藤哲夫(以上、常務理事)、奥島孝康、瀬川信久、高橋宏志、多田利隆、中森喜彦、平良木登規男(以上、理事)、中谷 実(監事)、井上正仁(司法試験等問題検討委員会主任)、山野目章夫(事務局次長)、笠井正俊、大貫裕之(以上、常務委員)

 

なお、臨時理事会に先立って、同所において、13時30分から15時まで、文科省担当者陪席の上で常務委員会が開催された。理事会の議事録作成のために必要な内容を含むので、以下、常務委員会の議事概要を掲記する。

出席者: 佐藤幸治(理事長代行)、川村正幸(副理事長)、田中成明(専務理事)、永田眞三郎、伊藤眞、加藤哲夫(以上、常務理事)、奥島孝康(理事)、井上正仁(司法試験等問題検討委員会主任)、山野目章夫(事務局次長)、笠井正俊、大貫裕之(以上、常務委員)

常務委員会議事概要大学入試センターの実施する適性試験の実施について、同センターを所管する文部科学省の高等教育局杉野剛専門教育課長から以下のような説明があった。

「従来、大学入試センターは、『独立行政法人大学入試センター法』の12条1項2号に基づき、『大学入学者選抜方法の改善に関する調査及び研究』の一環として、適性試験を実施してきた。このことについては当初、法改正を行い本来業務とすることとしていた。しかし、政府の『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(平成16年6月3日 閣議決定)』において示された、『独立行政法人の組織・業務全般の整理縮小、民営化等の検討を求める』という方針と、それに関して『平成16年中に結論を得る』ように求められていることにより、独立行政法人大学入試センターの第1期の中期目標期間が平成17年度末で終了することに伴い、現在その業務内容の見直しが進められており、法改正を行うことは困難になった。また、調査・研究として現在のような形式、規模で適性試験の実施を続けていくことも困難であり、総務省等とも意見交換を行いながら、9月早々には大学入試センターの取扱いに関する文科省としての方針を示すことを迫られている。現在、文科省としては、『①調査・研究については段階的に縮小する』こと、及び、適性試験は法科大学院入試の一部を構成するものであることから、『②法科大学院の関係団体が適性試験の実施主体となる』という二つの基本方針を示すこととしている。これにより、将来的には大学入試センター以外の実施主体により実施することも考えられる。大学入試センター以外の者が実施主体となる場合に、独立行政法人大学入試センター法12条3項(法人の委託を受けて、その実施する試験の採点と結果の分析に関する業務を行う)及び前掲の同条1項2号に基づいて、大学入試センターが協力することが可能であり、平成15年以降適性試験実施の経験を積んできた大学入試センターのノウハウと組織を十分に活用することができる。なお、試験実施に伴う経費及び実施主体の事務体制の整備費用等は、受験料収入でまかなうことができるであろうと考える。」

以上のような説明に関して、各委員から多方面にわたり質問、意見が出された。その中で、大きな状況の変化を踏まえて、質的に信頼性があり、大規模に実施されてきた大学入試センター実施の適性試験を実質的に継続・維持していく必要性、「法科大学院の関係団体」として考えられる組織、及び、理事会内部に検討組織を設置する必要性等に関して意見交換が行われた。

常務委員会議事概要終了

議題は次の通りである。

  1. 適性試験の実施主体について
  2. 日弁連法務研究財団のシンポジウム後援について
  3. 法務省の法教育のシンポジウム後援について
  4. その他 司法試験委員会委員による法科大学院の授業の参観について

冒頭、司会の田中成明専務理事より、4 その他として、「司法試験委員会委員による法科大学院の授業の参観について」を議題として取り上げること、及び、事柄の重要性に鑑み、議題の審議順序を変えて、議題2、3及び4より先に審議することが提案され了承。

(1)日弁連法務研究財団のシンポジウム後援について
山野目事務局次長より議題の説明。
日弁連法務研究財団のシンポジウム(2004年9月11日 13時から17時まで 於 中央大学駿河台記念館)の後援を法科大学院協会大学院が行うことについて、日弁連法務研究財団より要請があったが、理事会を開催する時間的余裕がなかったことから、専務理事と常務理事限りで後援について承諾した。
このことについて、事後的ではあるが、承認を得たい。
審議の上、承認。

(2)法務省の法教育のシンポジウム後援について
山野目事務局次長より議題の説明。
2003年7月29日法務省に設置された「法教育研究会」の成果を披露するシンポジウムの開催が予定されている。このシンポジウムの後援を法科大学院協会大学院が行うことについて提案したい。
審議の上、後援することを承認。

(3)その他 司法試験委員会委員による法科大学院の授業の参観について
山野目事務局次長より議題の説明。
この件について、司法試験委員会より当協会に対して、いくつかの法科大学院の授業を同委員会の委員がこの秋にも参観したい旨の希望が伝えられ、あわせて、協会においてその機会を設けるにつき協力方依頼があった。
この件につき、①協会として、参観の機会を整えるべく協力することにしたい。さらに、この点につき承認が得られれば、②専務理事において具体的に4乃至6校の法科大学院を選び参観受け入れを当該大学院に依頼することにしたい。
審議の上、以上二点につき承認。

(4)適性試験の実施主体について
川村理事及び永田理事から常務委員会における文部科学省からの説明と本問題にかかる議論の状況に関して報告が行われ、その後様々な側面からの意見交換が行われた。その結果、理事会として以下の結論に達した。

  1. 本協会は、このような状況の変化を受け、これまで実施されてきた、質、規模、方式の信頼性ある適性試験のシステムを継続、維持していくことが不可欠であると認識している。
  2. 多くの法科大学院が利用している大学入試センターによって実施されてきた適性試験については、本協会としても、これを実質的に継続・維持できるようにその方策を早急に検討することとする。そのため、理事会内部に検討のためのワーキング・グループを設置する。

以上

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