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困った人に寄り添い、手を差し伸べることができる人になりたい

道徳 栄理香 弁護士

道徳 栄理香 弁護士
2015年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2018年、慶應義塾大学法科大学院卒業、同年司法試験合格。2019年、司法修習終了(第72期)。同年弁護士登録、丸の内総合法律事務所入所。

Q 先生が弁護士になろうと思ったきっかけや動機について教えてください。

A 何か自分の強みをもって働きたいと思ったことと、法学部での勉強で、法律を通して社会を知ることに面白さを感じていたので、弁護士になろうと思いました。
また、大学時代に行っていた東日本大震災のボランティア活動で、私個人として被災地のために出来ることが少ないことに不甲斐なさを感じていたところ、被災地での法律問題の解決に尽力しておられる弁護士の先生の存在を知ったこともきっかけの1つです。東日本大震災後、被災地において無料法律相談を行い、さらにそこで得られたリーガル・ニーズの集約・分析が立法提言に活かされ、被災者支援や災害復興に資する立法に繋がったとのことでした。さらに、東日本大震災後の活動で得たノウハウや人脈等を活かし、その後の各地の自然災害でも継続的に無料法律相談等を行っているそうです。困った人に寄り添い、手を差し伸べることができる人になりたいと思い、弁護士を目指しました。

Q 現在、新型コロナ禍と言われていますが,そのような中で先生が何か力を入れている業務分野はありますか?

A 新型コロナウイルス感染症への対応は、多くの企業の関心事となっていますので、必然的に、日常的な相談についても、新型コロナウイルス感染症に絡むものが増えてきています。特に、株主総会指導の業務は、コロナ禍の影響を大きく受けています。例えば、感染拡大を防ぐために、株主に出来るだけ来場を控えるよう招集通知に記載したり、通常よりも短時間で終えるために、シナリオを短縮したり、株主が会場に出向く通常の開催だけでなく、オンラインで株主が株主総会に参加できるよう検討する企業が増える等、コロナ禍での新たな対応が求められています。
他にも、テレワークを推進する企業が増えてきていることから、テレワーク関連の労務相談も増えていますし、新型コロナウイルス感染症の影響で企業間の取引がストップした場合等に生じた損害はどちらが負担するのかなどの契約の解釈の問題に関する相談もあります(新型コロナウイルス感染症が「不可抗力」にあたり、いわゆる「不可抗力免責条項」に該当すれば、それによって生じた損害について、相手方は責任を負わないことになると解されています。)。

Q 先生がお仕事をされている中で、法科大学院で学んだことが生きていると感じることはありますか?

A 民法や会社法等の法律知識は、業務に直接かかわる分野ですので、知識そのものが生きていると感じます。今まで学んだことのない法律分野の相談であっても、法科大学院で培った法的思考力が基礎となっていると感じることはあります。また、法科大学院で学んだことそのものではありませんが、2年間の法科大学院生活で出会えた同期との繋がりにも、大変助けられています。司法試験の受験前には、毎朝決まった時間に集まって一緒に勉強をしたり、時には雑談をして気分転換をしたりなど、同期のお陰でモチベーションが維持できました。就職した後も、お互いに近況報告をして、「同期も頑張っているし私も頑張ろう」と思えています。

Q 今後、弁護士として、どのような目標をお持ちですか?

A 今は知識も経験も未熟ですので、まずは、法律や社会の動向を理解し、そのクライアントに適した提案ができるような弁護士になりたいと思っています。その上で、上で述べた被災地での法律問題の解決に尽力しておられた弁護士の先生方のように、何か社会を良くするような活動(被災地での法律相談等の支援、法律相談の情報を集約した立法提言、災害に備えた企業のBCP(事業継続計画)策定の支援等)を行うことができればと思っています。

Q 大学時代、法科大学院時代は、どのような学生生活を過ごしておられましたか?これから法曹を目指そうとする方には、どんな学生時代を過ごして欲しいと思われますか?

A 勉強と遊びを両立した大学生活を送っていました。旅行に行ったり、サークル活動をしたり、アルバイトをして大学生活を楽しみつつ、民法のゼミ活動を行ったり、司法試験の勉強をしていました。
法科大学院では、2年間勉強漬けでしたが、週1回は息抜きの時間をとるなど、ストレスが溜まらないように気を付けていました。クラスメイトともよく遊んでいました。
これから法曹を目指す方には、ぜひ勉強と遊びを両立して、自分の視野を広げてほしいなと思います。

Q 法曹を目指そうとする方に何かメッセージがありましたらお聞かせください。

A 法曹は、社会の困りごとを解決するという職業なので、その時々の時事問題に強く左右されます。法律ことばかりではなく、社会経済のことなど、幅広くアンテナを張っておくのがよいと思います。弁護士でいえば、クライアントの方と、趣味の話で仲良くなって、そこから仕事に繋がることもあります。勉強だけでなく、自分の好きなこともぜひ追求してほしいなと思います。